2023 年初頭、Salesforce と Braze は、Forrester Wave で クロスチャネル マーケティング ハブの領域で、 2つのカテゴリリーダーに選出されました。双方共に、顧客データの管理からマーケティング キャンペーンの自動化、顧客行動の分析まで、幅広い機能を提供しています。
どちらも独自の輝きがあり、まさにリーダーの称号にふさわしいと言えます。双方共に機能の多くが広範に重複しつつ、一方で、どちらも独自の機能を備えており、どちらがビジネスに最適かを判断するが難しいかもしれません。企業によっては両方の利点を組み合わせて、最大限活用することもあるでしょう。
Salesforce の領域で、数十年の経験を重ねた後、Braze コンサルタントになった 元 Salesforce コンサルタントのチーム が、ビジネスにとって最善の意思決定を行う方法と Braze と Salesforce Marketing Cloud を評価する際に考慮すべき点についての考えを共有します。ここでは両方の使用を併用するケースも含まれています。
現在、複数のチャネルを組み合わせ、顧客とコミュニケーションすることは、マーケティング担当者にとって、当然の責務といえます。クロスチャネルにまたがるカスタマージャーニーをシームレスに統合、各メッセージをパーソナライズし、一貫したブランド体験が提供できる機能を提供するプラットフォームを選定し、活用することが不可欠です。
どちらのプラットフォームも、電子メール、SMS、ウェブ など、さまざまなチャネルで顧客とつながるための強力な機能を提供しています。
Salesforce Marketing Cloud (SFMC) は、電子メール マーケティング ツールである ExactTarget としてスタート、その後、社内の製品開発と買収と統合を繰り返し、新しいチャネルを拡大してきました。同社の Personalization (旧称 Interaction Studio) ツールは強力な Web パーソナライゼーション機能を提供し、基本的な SMS、およびプッシュ通知を可能にする Mobile Studio も提供しています。
Braze はモバイル マーケティング プラットフォーム (旧名 AppBoy) としてスタート、SMS、プッシュ、アプリ内通知の領域で確かなサービスを提供してきました。それ以来、同社は堅牢で使いやすい電子メール マーケティング機能を提供する製品の開発を続け、コンテンツ カードや機能フラグなど、そのチャネルを拡大し続けてきました。
Salesforce は Braze よりも約 10 年のリードタイムがあるため、Salesforce の電子メール マーケティング機能は、より堅牢な返信メール管理機能など、より高度な機能を提供します。ビジネスで特にカスタマイズされた電子メール機能が必要な場合、Salesforce は製品開発の観点からもう少し柔軟性を持つ必要があります。
一方、Braze の電子メール マーケティング機能は Salesforce と比べ、競争優位性があり、パーソナライゼーションに関しては同様の機能を提供、UI とテンプレートに関しては Salesforce よりも優れています。 Braze には、モバイル チャネルとアプリ内メッセージングに関して、より洗練された機能もあります。
Braze は、プラットフォーム上でネイティブに提供されるチャネルの成熟度、統合性、多様性という点において、圧倒的な勝利を収めています。
Salesforce は長年にわたり、マーケティングから販売、サービスに至るまで、ブランドと顧客を結び付けるためのオールインワン ソリューションとして自社を位置づけてきました。彼らは、複数の製品が単一化された統合スイートとして位置づけています。しかし、Salesforce を知っている人なら誰でも、それが単にポジショニングに過ぎず、現実化させるには、言うは易く行うは難しであることを知っています。
しかし、このポジショニングはうまく機能しており、今日の世界最大手のブランドの多くは、ビジネスのあらゆる部分で、大規模に Salesforce に投資しています。
しかし、最近、私たちはマーケティングテクノロジーの「大規模な分散化」とも呼ばれる現象を見てきました。数多くのブランドが、かつての「統合された」マーケティングスイートから離れ、より新しい、最良の品質のプラットフォームへと移行しています。そして、それらは、新しいツールやチャンネルが導入される度に、イノベーションは促進され、規模の拡大が実現できます(これにより多くの場合、投資は減少し、ROIは向上します)
BrazeとSalesforceは、統合性と拡張性の面で同等の性能を持ちますが、どちらが適しているかはあなたの会社が技術スタックをどのように活用したいかによります。一つのベンダーだけと取引すると、管理すべき契約やパートナーシップが少なくなり、手間が減る面があります。しかし、その一方で新しいツールが出てきた際に、それを活用する機会を逃してしまう可能性があります。さらに、1つだけのベンダーと取引すると他の選択肢が無くなり、契約条件など交渉の余地が狭まるかもしれません。
製品アーキテクチャには、注意すべき重要な相違点がいくつかあります。
Braze と Salesforce はどちらもマルチテナント アーキテクチャであり、複数の顧客が同じインフラストラクチャとリソースを共有します。このアプローチにより、両者は拡張性の高いソリューションを提供しています。
SFMCのアーキテクチャは Salesforce CRM に密接に模倣され、オープンAPIを提供しています。ただし、Marketing Cloud内にはいくつかの相違点や未文書化のAPIが存在します。それでも、大企業レベルの規模になると、プラットフォーム上にカスタムインテグレーションやアプリケーションを開発するためにSFMCが好まれるケースがあります。このカスタマイズは、結果的にプラットフォームの管理に、より手間が必要となることを意味します。
Braze のアーキテクチャには、リアルタイム データ ストリーミング エンジンが含まれており、パーソナライズされたメッセージングとレコメンデーションをリアルタイム化できます。また、Brazeのプラットフォームには、人気のマーケティングツールやデータ分析ツールとのアウト・オブ・ザ・ボックス(即利用可能な)インテグレーションが多数用意されています。
Salesforce と Braze のもう 1 つの重要な違いは、データ管理のアプローチです。 Salesforce は、高度に構造化されており、大規模なデータセットを管理するための最適なリレーショナル データベース管理システム (RDBMS) を使用しています。 Braze イベント データ フローは非構造化形式であるため、柔軟性が高く、データ活用という点で迅速な反復と実験が可能になります。 Braze キャンペーンで顧客以外のデータが必要な場合、カタログが提供されます。これにより、インポートされた CSV ファイルや API エンドポイントからのデータにアクセスして、製品や特定のデータで配信メッセージをより充実させることができます。
Braze は、これらのデータ統合とアーキテクチャの管理という点で、マーケティング担当者が非常に使いやすく、最低限の技術スキルで、すぐ使えるソリューションになっています。
ビジネスにおけるスケーラビリティとアーキテクチャーに関して、どのソリューションが最適かを決定するためには、最終的にはあなたの目標と今後、どのように技術スタックを管理したいか、というしっかりとした理解が必要です。リアルタイムのデータ処理が重要な場合、Brazeの方が優れたソリューションです。一方、複雑すぎるデータモデルをそのまま活用したい際や、企業全体で同じシステムを操作することがビジネスにとって重要な場合、Salesforceがより適している可能性もあります。
他のプラットフォームと統合する機能に関しては、どちらのツールも強力ですが、Braze は、CDP、データ ウェアハウス、マーケティング分析ツールなどのツールを含む、プラットフォーム外の他のマーケティング ツールと簡単に連携できるように意図的に構築されています。これにより、マーケティング担当者は、現在のプラットフォームが提供するものに依存するのではなく、ビジネスに最適なソリューションを提供する最善のプラットフォームを選択できるようになります。
さて、どちらが優位に立っているでしょうか?これには議論の余地がありますが、最終的にはビジネスとして何が重要かによって決まります。
Salesforce が過去 20 年に渡り、強力なブランドを構築してきた手法の 1 つは、Trailhead、Salesforce+、Dreamforceなど、さまざまなツールでSalesforce を管理するために必要な専門人材を支援するコミュニティの構築に献身的に取り組んできたことです。また、専業コンサルティング会社やグローバル システム インテグレーター (GSI) と同様に強力なパートナー エコシステムを構築し、企業内で枯渇する専門人材へのアクセスを容易にしました。
Salesforce の魅力の 1 つはカスタマイズ機能ですが、これを効果的に活用するには専門の人材も必要です。 SFMC の高度な機能の多くは、特にパーソナライゼーションに関しては、SQL と AMPScript に関する技術的な専門知識も必要とします。
一方、マーケティング担当者にとって使いやすいプラットフォームという点では、Braze が完全に勝利を収めています。メッセージ内レポート、プラットフォーム内でオーディエンスを迅速に構築する機能、また、メッセージ作成や配信するためのシンプルな UI、いずれも、Braze は現代のマーケティング担当者向けに構築されており、新しいキャンペーンの構築と展開、迅速に顧客管理への移行を支援します。単一プラットフォームでのエンゲージメントを実現し、キャンペーンをリアルタイムに最適化できます。
Braze に技術的な専門知識が必要ないというわけではありません。顧客体験の統合、最適化を深掘りするようなプラットフォームの活用には、慎重さも必要です。Stitch のようなプラットフォームの専門家を活用することで、プラットフォームを正しく使用し、その機能を最大限に活用、統合とデータ管理プロセスをスケーラブルに効果的に設定できるようになります。Brazeは機能が洗練されており、使いやすいソリューションであり、マーケティング担当者が日常的に使うプラットフォームとしては最適といえます。
また、ブランドが両方のプラットフォームの長所を組み合わせて、活用している例も数多くあります。多くの場合、この選択をするブランドは、SFMC との既存の契約を含め、すでに大規模な Salesforce 基盤を構築しており、Salesforce プラットフォーム全体にビジネスに深く浸透しています。このようなケースの際、長年にわたり、多くの技術的負債を抱えており、既存のキャンペーンやアセットを移行するという考えは困難に思えるケースもあります (Stitch は目的を達成するための「Switch」と呼ばれる自動移行サービスを提供していますので、詳細はお問い合わせください)。
このような場合、SFMC に加えて Braze を追加することは、新しいチャネルを迅速に追加し、顧客エンゲージメントの技術スタックを完成させるための優れた選択肢となる可能性があります。これらのツールは適切な手法で、うまく連携させることができます。Brazeがシナリオ管理やモバイル・ウェブのプラットフォームとして活用し、SFMCはメールプラットフォームとして活用する。連携としては、Braze の Webhook を使って SFMC でメッセージやジャーニーをに送信指示をする(Braze内のキャンペーンやCanvas Flowを使用する)というような組み合わせがあります。
素晴らしいことに、どちらのプラットフォームも、マーケティング担当者に強力な顧客エンゲージメント機能を提供できるソリューションであるということです。
どちらが自分に適しているかは、最終的にはビジネス目標と、所属するマーケティング組織の種類によって決まります。
Braze は、モダンなマーケティング担当者、特に顧客とオンラインで大量にやり取りを行うブランド向けに構築されました。具体的には、顧客が銀行業務や金融取引を大量にオンラインで行う金融サービス企業、eコマースに大きく依存する小売業者、アプリを通じて顧客と関わるビジネス──ファストフードチェーン、航空会社、旅行・ホスピタリティ企業、メディア企業、またはサブスクリプションサービスなど──または、マッチングアプリやウェルネスアプリのように完全にアプリベースのビジネスにも最適化されています。
Braze はクロスチャネルでのメッセージ配信、特にモバイルに非常に強いため、先進的な企業、またモダンなマーケティング担当者にとってより優れたソリューションです。Brazeは 使いやすいUI、リアルタイムのデータ処理、ジャーニー オーケストレーションなどに加え、強力なメッセージング機能を提供するプラットフォームです。
Salesforce Marketing Cloud は、営業と連携して業務を行うことが多い従来のマーケティング担当者向けに構築されました。 SFMC は、電子メールと ウェブのパーソナライゼーションを詳細に行うことを可能にし、他のチャネルにわたる基本的な機能を提供すると同時に、他の組織とよりつながりがあるという印象を与える強力なプラットフォームです。
SFMC は CRM 組織から派生しているため、営業チームと緊密に連携する必要があるマーケターとして人気があります。
Stitch は、両プラットフォームでの豊富な経験により、Braze と Salesforce のどちらが自社のビジネスにとって優れたソリューションであるか、あるいは両方のプラットフォームを一緒に使用することに関心のある企業にソリューションを提供できるか、独自に判断できる立場にあります。 Braze への投資がビジネスにどのような影響を与えるかについて興味がある場合は、お気軽にお問い合わせください。